なんで俺じゃあかんねん

「待てよ。」

その手をとって、校舎の壁との間に、葵の体を閉じ込めた。

俺の行動にびっくりしたように目を見開いている。




「なんでなん?」

考えるより先に言葉がでた。

葵は、何も言わずにただ瞬きもせず、俺を見ている。


「俺言ったやん・・・。」

あの時、ちゃんと言ったのに。


「真田先輩と付き合わんといてって言ったのに。」

「・・・え。」



おまえも雅さんと付き合わんといてって言ってたやん。

俺は付き合ってないのに、なんで・・・!



「やのに、なんで・・・!」


勢いで、声が大きくなった。


その声におびえるように葵の体が一瞬震えた。