なんで俺じゃあかんねん

「やから、これからもよろしく。」

この声・・・真田先輩や!

女子らが言った通り、校舎で影ができた水飲み場に二人はいた。

「うん。私こそよろしくね!」


一緒にいたのは、葵・・・・・


どういうことや?

試合見に来てたん?
真田先輩に誘われて?


人目をしのぐようなこの場所。

二人は向かい微笑みあっていた。


確かに、仲良いカップルにしか見えん。

しかも、今の会話。

これから、よろしくって言ってた。

やっぱり、それって・・・!



「あ、ハル!」

拳を握り締めた俺に、真田先輩が気づく。


「真田先輩、部員のみんなが待ってますよ。」

「あーほんまや、ごめん!

じゃあ、坂井さん。また!」

真田先輩は、慌てたように言って

葵に手をあげて、俺の横を小走りで通り過ぎて行った。


残されたのは、二人。



葵は、気まずそうな表情で一度俺を見た後、視線を逸らす。


なんやねんそれ。

なんか気まずいことでもあるわけ?


葵の行動に腹が立つ。



「じゃあ、私も帰るわ。」


そのまま、俺と目を合わそうともせずに立ち去ろうとする。