なんで俺じゃあかんねん


海をながめる真田くんの横顔は、笑っているけど寂しそうだった。

「俺、結構坂井さんと仲いいつもりでおったんよな。

去年からクラス一緒やし。割と女子の中ではしゃべるから。」

「私も友達やと思ってるよ?」

「ありがとう。

けどさ、文化委員会で初めてハルと坂井さんがしゃべってるの見た時、
これが坂井さんの素なんやろうなって思った。

見たことない坂井さんやったから。」

確かに、ハルは家族で小さい時から一緒にいるのもあって、全然取り繕っていない。

でも、そこまで違うとは思ってなかった。


「だから俺、弟のハルにちょっと嫉妬した。」

そう言って、私を見て眉を下げて笑う。

その言葉になんて返せばいいのかわからない。


何も言わず、ただ下を向くと、小さく息を吐く音が聞こえた。



「ええねん。

これから、どんどん俺のこと知ってもらって
俺も坂井さんのこと知って

俺の前でも、素でいられるようになってもらえれば。」