なんで俺じゃあかんねん

ファミレスから出た私たちは、
真田くんの提案で海がみえる公園まで来ていた。

さっきの自分の行動に、どことなく罪悪感を抱く。

仮にもデート中に、他の人と手をつなぐなんて。

気づかれてないか、今も少しビクビクしてる。


「今日は天気いいから、よく見えるな。」

真田くんは、なんの疑いもなく笑った。

笑顔に安堵する。

「うん!真田くんって海好きなん?」

「・・・まあ。

俺の両親、スキューバダイビングが趣味で、小さいころはよく長期休暇に家族で沖縄行ってたから。

最近は、部活あるしもうついていってないけど。」

「もしかして、だから(かい)?」

「そう・・・。たぶんやけど。」

そう言って少しはにかむ。

「たぶんって。曖昧。」

思わず笑っちゃうと「ちゃんと聞いたことはないから。」と向こうも笑い返してくれる。


「坂井さんの名前の由来は?」

「源氏物語。お姉ちゃんは(むらさき)って書いて(ゆかり)やし。」

「あーなるほど!でも、ハルは?」

「ハルは、お父さんが和也で、春生まれやから春也らしいよ。」

「なんか由来全然ちがうな。」

不思議そうに言う。