なんで俺じゃあかんねん

「坂井姉弟、仲ええな~!」

こういうとき、相崎くんのからっとした明るさは助かる。

「どこが!?」

私は、それにのっかればいい。

いつもなら、ハルも一緒にこう言ってハモるところなのに。

最近のハルはのってこない。

こうやって、含み笑いで私を見るだけ。

その目が妙に大人っぽくて、艶っぽくて、むずむずする。


「それより、相崎先輩って、去年葵と付き合ってたんですよね?
割と長い期間。」

ハルがすっと話題を変えた。

「そやけど?」

「どっちから別れたんですか?」

なに聞いてんの?

「ちょっとやめてよ。」

小声で言って、ハルの膝を軽くつつく。


その次の瞬間・・・

ちょっ・・・!


ハルは、こっちに視線を向けることなく私の手に手を重ねてきた。

なにしてんの!?

いきなりのことに、また体の熱があがっていく。


きっと、ハルにとってはうるさい姉を制止させる一つの手段に過ぎない。

わかってるのに、
わかってるのに・・・ドキドキする。


ハルの手は、私より大きくてごつごつしてて、少しひんやりしている。

昔よく手をつないで公園に行っていた時とは全然違う手。

男の手。