なんで俺じゃあかんねん

「謝るの、私の方やと思う・・・。

告白大会で言うのって、絶対かなり勇気いるし、
みんなにバレて冷やかされるのだって、わかってるのに。

でもちゃんと言ってくれて、うれしかった。」

ちゃんと伝えないと。

うれしかったのは間違えないし。

「やのに、返事待たせたままでごめん。」

「・・・あ、いや。」


真田くんは頬を軽くかいたあと、少し遠くを見る。

その横顔は心無しか赤い。



「坂井さんが、ちょっとでもうれしいって思ってくれたなら、

頑張ってよかった。」

照れてる・・・?

男の子の照れた横顔を見て、こっちもなんだかくすぐったくなる。


この人、私のこと好きなんや・・・。

分かってたことやけど、また実感した。


「そんなん、思ってるに決まってる!

ありがとうございます。」

ぺこっと頭をさげると「いやこちらこそ。」と向こうもつられて頭を下げる。

それがなんだかおかしくて、少し笑ってしまった。

「なんやこれ。」

真田くんも、おかしそうにわらっていた。