なんで俺じゃあかんねん

真田くんが、部活前にドリンクを買いたいらしく
人があまり来ない方の自販機で私たちは話すことにした。



がたん・・・

スポーツドリンクを、自販機からとって

「なんか飲む?」

と聞いてきたけど、それを断り彼の目を見る。

「話って?えっと・・・あの文化祭の時の返事なら、ごめん、まだ・・・。」

でてなくて、と続けようとしたけど「あ、ちがう!」と勢いよく遮られた。

「返事のことは、俺が待つって言ったんやし。気にせんといて!

そうじゃなくて、俺のせいで坂井さんまで冷やかされてる感じで、ごめん。」

「あー・・・。

いや、大丈夫。」

まあ、真田くんは有名人やし。モテるし。

あんな大勢の前での告白やったし、仕方ない。

「あと、いきなりあんなところで告ったりしてごめん。

迷惑かけるつもりはなくて・・・。

ああいう機会でもないと、俺、告白とか絶対できへんと思って。
勢い、大事やん?」

「まあ、そうやね。」

「うん・・・。
でも、坂井さんの状況考えると、ちょっと軽率やったっていうか、だからごめんなさい。」


・・・相変わらず真面目で優しい。

ずっと答え出さずに待たせてるの、こっちやのに。

真田くんが謝る必要とかないのに。