けど今は、俺がなに言ってもあかんよな。

無意識に諦めの微笑が漏れた。

「・・・ハル?」

そんな俺を見て、心配そうな顔になる。

はあ・・・・

やっぱり、姉ちゃんするねんな。

心配のまなざしは、よく知ってる姉の顔に面影があった。

それが悔しくて、切なくて。



「・・・・っ!」

そっと、額に唇で触れると、葵が小さく息をのんだ。


もう一度葵と目を合わせて、優しく笑ってやる。

素直な俺。

ほんまは、いつもこうして、おまえを見て笑っていたい。


「ごめんな。」

それだけ告げて、体を離した。


「今日はありがとう。楽しかったわ。

じゃあまた、家で。」


デートは終わり。

俺は、葵に背を向けて公園を去った。