なんで俺じゃあかんねん

それに、振り回されてるって言ったら、俺だってそうやろ。

おまえにずっと振り回されっぱなしや。

「俺も慣れたけど。おまえに振り回されるの。」

「はあ!?私は、振り回してませんー!」

「うそつけ。

俺をここまで振り回すのなんて、この世で一人、おまえだけや。」

おまえやから、気になる。

気になって、気になって、振り回されて。

葵の言動一つ一つに、俺は注目して、勝手に舞い上がったり地に落ちたり。

あほは俺やな。

挙句のはてには、葵だけじゃなくてその周りのことまで気にして。

自分のことだって、まともにできへんのに・・・・。

ほんまにあほ。

「なにそれー。姉に対してほんまに失礼やな!」

俺たちの間に、いつものような空気が戻ってきた。

こうしていつも、葵は怒って。それに油を注ぐように俺がまた挑発して。

姉弟喧嘩が始まる。

でもそれもすぐに・・・長引いても、次顔を合わせた時には、普通に戻ってて。

また家族としての時間がつづいていく。