なんで俺じゃあかんねん

あーーもう!!

そんな姿に、むしゃくしゃした。

葵をぐっと引いて、握った手を2人に見せた。

「・・・ちょ!ハル!?」

いきなりのことに、たぶん一番驚いているのは葵。

そして、俺。

勢いでこんなことしてしまった。

でも、もう引っ込みつかへん。

「悪いんですけど、彼女とデート中なんで他あたってもらっていいすか?」

「え?!」

なにか余計なこと言いそうな葵を一睨みで黙らせた。

俺たちを見た女2人は、一瞬あっけにとられてから

「な~んや。残念!」
「そうならそうと早く言ってよね~。」

そう言って、ヒラヒラと手を振って去っていった。

・・・結構あっさりか。

まあ、ああいう年上は、彼女がおるってわかったらすぐ引くやろうな。

俺は安堵して二人の背中を見送った。