なんで俺じゃあかんねん

食事を続けていると、葵が横を気にしているに気付いた。

ん・・・?

俺も、さりげなく葵の視線を追ってみると、制服姿の女子高生3人組。

こちらを・・・というより俺をちらちら見ながら、ひそひそと話していた。

慣れている視線。

昔からよくあった、こういうこと。

葵も、今更やん。気にすんなよな~。
とか思うけど、やっぱり気になるらしい。

でも、こうして俺を見る女子を葵が気にしてるのは、なかなかに気分がいい。

きっと葵のことやから、単にうっとうしいとか、そういう感じやろうけど、

俺は嫉妬されてる気になれる。

だから、こうしたら・・・どうなる?

俺は、あたかも今気づいたかのように、彼女たちに視線を向けてみる。

「ちょっと!気づかれてもたやん!」
「やばいって、こっち見てる!」
「でもやっぱめっちゃイケメン~。」

興奮からか、声のボリュームがあがってこちらにまで聞こえてきた。

ペコっとお辞儀をしてみる。

と・・・

店内に黄色い声が響いた。