なんで俺じゃあかんねん

「ほんまにここでええん?」

「うん!!」

葵が目を輝かせて見つめる店は、よくあるハンバーガーのファーストフード店。

まあ、マクドよりはやや敷居高めやけど。

てっきり女子やから、パンケーキとか、パフェとか甘いものの店に行くのかと思ってた。

俺は高校生やし、持ち金もない。

葵もそれはわかってるから高い店にはいかへんと思ってたけど、

なんていうか・・・もうちょっと洒落た感じのカフェとか、あるやん?

こいつ、やっぱりデートやと思ってないんやろな。

まあ、弟と二人で出かけてる姉がデートやと思うわけがないか。

「ここの期間限定のアボガドバーガー食べたかってん!!」

目をキラキラ輝かせて言うから、仕方なく了承した。

いっか。

なんか葵がうれしそうやし。

はしゃいで半ば小走りで注文カウンターへ向かう葵の後を、俺はゆっくりと歩いて追った。

ほんまに、昔からどうも姉やと思えん。

てか、年上に思えん。

これは俺だけのせいちゃうと思うねんけどな。