なんで俺じゃあかんねん

その日の夜。

俺は、半ば強引に葵の部屋に入った。

「もう!な、なによ!?話したいことって。」

葵は、ここまでしても頑なに俺を視線を合わせようとしない。

「こっち見ろよ。」

ちらっと俺を見て、またそらす。

「見たもん。」

「ちらっと、な。」

「ふん!」

はあ・・・

そうやって、顔赤くしてたら、俺のこと意識してますって言ってるようなもんやねんけど。

可愛いだけやねんけど。

なんか妙な自信がついてる今なら、誘えるかもな、デート。

「葵・・・。」

「なんですか。」

俺の方にまた顔を向けて、今度はうつむく。

でも、目だけは俺を見てくれる。

上目遣いになってんで~。

煽るな。

「明日からテストやな。」

「・・・うん。」

「勉強、どう?」

「おかげさまで、超はかどってる。」

「朝も図書室行ってるもんな。」

俺を避けるために。

俺の言葉にギクッとしたのか、そろりと視線をはずす。

「もう、今回はクラスで10番以内は硬いわ。」

もともとそんなもんなくせに。

「って、雑談しに来たん?話ってこれ?」

「なわけ。」

ちょっと一呼吸おかせてくれ。