なんで俺じゃあかんねん


「名前は?

って、こういうのは最初に俺が名乗るべきか。」

頬をかきながらはははっと笑う。


なんや?こいつ・・・・。

なんかよくわからん奴。

大人びてるんか、ヘラヘラしてるんかわからんわ。



「俺、2年1組の真田 海(さなだ かい)です。」

「あ、よろしくお願いします。」

「こちらこそ。」

「1年5組坂井 春也です。」

俺が名乗った途端、パッと顔が明るくなった。

「坂井!?おまえ、もしかして・・・

坂井さんの弟?」

「はい。」


弟だと思われることにちょっとした抵抗感みたいなのが生まれる。

でも弟は事実だから仕方ない。

嘘つくわけにもいかへんし。


俺が複雑な思いでいるのに、真田先輩はうれしそう。

「そうなんや~。」

短く相槌をうつ。

他の奴らみたいに『似てない』とかそういうことは一切言わなかった。


でも、俺は言ってほしかったような気がした。

言われたら、そりゃ俺ら血つながってないし、と思うのに。

そう思ったら、なんかちょっと気が楽になる気がした。


それくらい、この人と二人のこの状況は息苦しいものやった。