なんで俺じゃあかんねん

どれだけ時間が経過したか。

俺は、今まで経験したことないほどの集中力で勉強していた。

だから、気づかなかった。

葵がすぐそばにいることに。

俺しか教える対象がいないのもあって、もとから横に座っていたけど、最初は普通の距離だった。

でも、どちらからなのかはわからないが、段々その距離は近づき、

今では肩が触れそうな位置まで来ている。

気づいた途端にドキドキしてきて、とまらない。

やべえ・・・集中力失ってきたかも。

無意識に葵の方へ顔を向ける。

あっちは、必死に説明してて、教科書へ視線が向いててこの距離に気付いていない。

いや、気づいても葵のことやから俺みたくドキドキはせんか・・・。

父さんたちが再婚してから、ずっと一緒に暮らしてきて、ずっとこいつのことを見てきた。

いつのまにか、お互い高校生で、俺もおまえも恋愛する歳になった。

きっと昔から俺はおまえが好きやったけど、

こうして、気持ちを自覚してから間近でおまえのこと見て、

やっぱり俺、こいつのこと好きやな。

近くによってると、心臓が壊れそうになる。

なんかいいにおいするし、触れたくなる。

特別顔可愛いわけでもないのに、見るたびに『可愛い』って思う。

全部、俺がこいつを好きやから。