なんで俺じゃあかんねん

「たこ焼き、うまかったわ。」

「せやろ。作り方覚えたから、今度家でもつくったるわ。」

「なんかちがうんか?」

「うん。とっておきの隠し味があるから、楽しみにしといて。」

今度はいたずらっぽく笑う。

こいつは元々笑顔が多い方や。

それを、俺が意地はっていらんこと言うから、いつも喧嘩になるけど。

ちゃんと素直に話せば、こうやって俺にも笑顔を向けてくれる。

「ははっ、それは楽しみ。」

「ハルも・・・なかなか、様になってたよ。」

「おー。まあなー。」

「顔がいいって得ですね。」

今までの俺なら、きっとここでいらんことを言う。

それで、喧嘩になる。

だから俺はあえて今回、なにも言わない。

「みんな、ハルのことめっちゃ見てたやん。とくに女子。

友達も、行った子たちはみんな『かっこよかった』って騒いでたよ。」

「ふーん。」

「ふーんって。それだけ?」

「うん。」

だって・・・正直、他の女子の反応とかどうでもいい。

「で、葵は?」

俺が知りたいのはそこだけ。