なんで俺じゃあかんねん

ガチャ・・・

玄関がしまる音が俺らがいるリビングにも響いてきた。

母さんがパートから帰ってきたんかな?

そう思って玄関へ行くと、いたのは葵だった

「あ、おかえり。」

「ハル!ただいま~。

今日、ママは職場の人とごはん食べてくるらしいわ。

やから、私が晩御飯つくるから。」

「そうなん。」

久しぶりの葵の手料理や・・・

ボウリングの日に、あんな覚悟をしたけど、未だなにも行動できてない。

あれから3日。

その機会がなかったと言ったほうがただしい。

でも今日は、二人きりの晩御飯になる。

チャンスか?

「てか、誰か来てんの?」

葵が玄関の靴に目を留める。

「バスケ部の奴ら。

リキトと・・・あ、遼もおるで。」

確か、遼とも面識あったよな。

「ふーん。」

葵から晩御飯の買い出しとみられる荷物を受け取っていると、リビングから誰かがでてきた。