なんで俺じゃあかんねん

「おい!リキト!!これなんて書いてんの?」

遼が、リキトと同じページの英文に眉をひそめる。

俺も同じページを開いて、遼と同じように表情が険しくなった。

「どれも授業で一回やったやんけ。」

「授業なんか聞いてへんもん!」

「そんなこと大きな声で言うな。」

遼の頭をパシッと叩いて、リキトが解説していく。

俺はなにも言わずに、それをそーっと盗み見てノートにペンを走らせた。

「ハルも聞いてへんのかよ!」

斉藤の声にぎくっとする。

「まあおまえ、いっつも寝てるもんな~。授業。」

「え!なんで知ってんの。」

おまえ俺より席前やん。

見えるわけないし・・・。

「横山さんが言ってた。

プリント配るときいっつも寝てるって。」

そこなんで内通してんねん。

「だって、授業って眠いやん。」

「気持ちはわかるけどな~。」

そう言って斉藤は、俺の教科書にアンダーラインをひっぱってくれる。

「この英文は丸々出るから、暗記しろって言ってたぞ。」

「ありがとう。」

そんなんいつ言っとってん!!

・・・・俺が寝てるときやろうけど。

はあ・・・

テスト前にいつも後悔する。

ちゃんとやっとけばよかった。