なんで俺じゃあかんねん

文化祭が終わると、もう、すぐに期末考査の時期。

あっという間にテスト一週間前で、部活も俺たち試合に出ない組はなくなってしまった。

やっと部活再開したと思ったら、もうなくなるなんて。
まあ・・・おかげで真田先輩と関わりなくなったけど。

先輩たちは相変わらず毎日やってる。

今週末の予選準決勝で勝てば、インターハイ出場は確実。

応援頑張ろう。
試合の日はできへんから、今のうちに勉強しとかな。


俺の成績は、中の下くらいで。

中間は、なんとかがんばったけど、あれよりも範囲が広い期末は正直やばい。

「ハル、頭よさそうやのにな。」

バスケ部の面子で集まって、今日は俺の家で勉強会をしていた。

って言っても1年全員じゃなくて、斉藤、リキト、遼、俺の4人。

リキトは、中学の時から割と頭がよかった。見た目に反して。

そして、本間に驚くことに斉藤は、なんとクラスでも5番以内の成績。

知ったときはなんかの冗談やと思った。

絶対俺と同じか俺よりバカやと思ってたのに。 

だって、入学して最初の実力考査のとき、リキトと二人で『おわった。』とか言ってたやん。

あの言葉は、リキトと同じくのりやったわけだ。

遼は、見た目同様、俺と同じくらいのレベル。

つまり、俺と遼が二人に勉強を見てもらっている。

「人間には得意、不得意があるんや。」

斉藤に言葉を返すと「なんやそれ。」と笑われた。

「俺も、ハルは頭いいと思ってたわ。

てっきり、勉強もスポーツもできるイケメンやって。」

遼までそんなことを言う。

・・・なにを根拠に。

「そんなスーパー人間ほんまにおるわけないやろ。」

「確かに。そんな奴おったら、みんな卑屈になるわ。」

リキトはそう言いつつもシャーペンを回しながら英文を読んでいる。

こいつ、ちゃんと会話聞きながら勉強もしてる。

すごいな・・・。