清水さんは、一呼吸おいて話を続ける。

「うちは、もっと自信もっていけばいいと思うけどな~。」

考えるように顎に人差し指をあてている。

「聞いたかぎりやと、その相手の女の子も坂井くんのこと好きな気がする・・・。」

「はあ!?いや、それはない!!」

「なんで?」

言い切る俺に、怪訝な顔を浮かべて首をかしげてくる。

「だって、その反応は・・・少なくとも嫌いな男に向けるものじゃないでしょ。」

確かに最近、嫌われてはないかもって思うようになってきた。

でも、だからといって好き、ではない。

「いや、あいつが俺のことを好きなんて、ありえへん。」

清水さんは、姉弟って知らんから。伏せたのは俺やけど。

「なんでそこまで頑なに否定するんかはわからんけど、もうちょっと押してみていいと思うよ?」

「押す?」

「うん!!グイグイ迫る!」

「・・・無理。」

そんなことできんわ!!

昨日の自分の言動も、なかなかに頑張った方だと思ってるし。

「もう!女の子は、誰だってイケメンから迫られたいものやで?

坂井くんは、せっかくの武器をもっと生かすべきやと思うわ~。」

「武器って、俺の顔か?」

冗談交じりに笑ってみせると真剣に頷かれた。