なんで俺じゃあかんねん

「坂井さんは、今好きな人とか、気になってる人とか、おる?」

「え!いや・・・別に。」

「じゃあ、俺のことは・・・どう思う?」

「真田くんのことは、かっこいいと思うし、いい人やと思うし

でも、本間にずっと友達やと思ってて。一番仲がいい男友達っていうか。」

さすが葵・・・

告ってきた男に、それ言うか・・・。

天然という名のえげつなさ。

「うん、俺も坂井さんのことは、いい友達やとも思ってる。

だから断ってくれてもいいから。それでも友達は変わらんし。」

先輩、ええ奴やな。

「でも、一回俺と付き合うこと、考えてほしい。

すぐに答えださんくていいから。ごめん、同じこと何回も言って。」

「ううん。わたしこそはっきりせんくてごめん。」

「いや、考える余地あるだけ俺はうれしいから。」

聖人君子か?

「うん・・・でも待たせるかも。」

「いいよ。じっくり考えてくれるんやろ?

俺は、どれだけ待ってもきっと、坂井さんのことずっと好きやから。」

うわ!!!

これ、絶対聞いたらあかんやつ。

「え。」

「坂井さんのことは、俺いつまでも待ち続けるから。」

わーーほんまに王子様やな・・・。