なんで俺じゃあかんねん

「ハル!!先生が委員会のことで呼んでたで。」

見るに堪えへんかったんか、リキトと斉藤がやってきて俺に助け船をだしてくれた。

「おう!それは大変や!

すいません。俺、行きます。」

その場にいた女子から落胆の声があがる。

「俺がダンスできない代わりに、この二人が皆さんのお相手を務めます!」

「「は!?」」

助け船を出すのが遅かったバツや!

俺は、瞬く間に女子に囲まれる二人を置いて一目散に逃げ出した。



校舎裏までやってきて、一息つく。

ふう・・・ここまで来ればとりあえず大丈夫かな。

俺は、速足をとめて近くのフェンスに体を預けた。

すると・・・

「うん、だからすぐじゃなくていい。」

なんか男の声。しかも、聞いたことある。

「うん・・・。」

そして、女の声。こっちも聞いたことある。

・・・てか、葵の声。

男は、やっぱり真田先輩。

俺は慌てて物陰に隠れた。