「いや、でももう真田先輩と付き合うかもしれんし。」
「これまでもそれくらいあったんじゃないの?」
「あったけど、でも今までの奴と真田先輩は違うっていうか。」
真田先輩じゃ勝ち目ないし・・・。
「確かに、あの先輩もすごく本気って感じしたけど。
それで坂井くんの気持ちは消えるわけじゃないでしょ?」
それはそうやけど・・・
お互いそこからなにも言わなかった。
静かな第二音楽室に、外から聞こえてくる文化祭のにぎわい。
しばらくの沈黙。
教室の壁掛け時計の針の音が、やけに大きく響く。
パッと時計を見ると、もうステージも終わる頃の時間だった。
俺の視線に気づいた雅さんも時計に目を向け
「そろそろ戻らなあかんね。」
と言葉をこぼす。
彼女はうじうじした俺の態度に飽きれたかな。
そう思って彼女を見ると、そういうわけでもなさそうだ。
「うん、せやな。」
「坂井くん。
私は、そもそも応援してるってことを伝えたかっただけやから。
上手くいってほしいと思ってるけど、こういうのは周りが担ぎ上げることじゃないもん。
ごめんね、言い過ぎたかも。」
「いや。」
「最後に、これだけもう一度言ってもいい?
わたしは坂井くんのことが好きやから、坂井くんの恋を応援してるよ。」
無理に笑顔を作る姿を見て、罪悪感に近いような感情が起こった。
俺は、自分のことばかりやったな。
好きな人の恋を応援する、っていう雅さんの気持ち。
きっと辛いに決まってる。
「うん、ありがとう。」
ごめん、は違う気がした。
それで合ってたのか、少し満足気に彼女は頷いた。
ありがとう、ほんまに。
「これまでもそれくらいあったんじゃないの?」
「あったけど、でも今までの奴と真田先輩は違うっていうか。」
真田先輩じゃ勝ち目ないし・・・。
「確かに、あの先輩もすごく本気って感じしたけど。
それで坂井くんの気持ちは消えるわけじゃないでしょ?」
それはそうやけど・・・
お互いそこからなにも言わなかった。
静かな第二音楽室に、外から聞こえてくる文化祭のにぎわい。
しばらくの沈黙。
教室の壁掛け時計の針の音が、やけに大きく響く。
パッと時計を見ると、もうステージも終わる頃の時間だった。
俺の視線に気づいた雅さんも時計に目を向け
「そろそろ戻らなあかんね。」
と言葉をこぼす。
彼女はうじうじした俺の態度に飽きれたかな。
そう思って彼女を見ると、そういうわけでもなさそうだ。
「うん、せやな。」
「坂井くん。
私は、そもそも応援してるってことを伝えたかっただけやから。
上手くいってほしいと思ってるけど、こういうのは周りが担ぎ上げることじゃないもん。
ごめんね、言い過ぎたかも。」
「いや。」
「最後に、これだけもう一度言ってもいい?
わたしは坂井くんのことが好きやから、坂井くんの恋を応援してるよ。」
無理に笑顔を作る姿を見て、罪悪感に近いような感情が起こった。
俺は、自分のことばかりやったな。
好きな人の恋を応援する、っていう雅さんの気持ち。
きっと辛いに決まってる。
「うん、ありがとう。」
ごめん、は違う気がした。
それで合ってたのか、少し満足気に彼女は頷いた。
ありがとう、ほんまに。


