なんで俺じゃあかんねん

文化祭二日目。

昨日言っていた通りに、真田先輩と葵が喫茶店にやってきた。

・・・別に二人でこんくてもええのに。

「うーん・・・じゃあ、俺はアイスコーヒーで。坂井さん、どうする?」

「私は、紅茶と本日のおすすめケーキ。」

「ケーキセットにしたほうが安いから、それでいい?」

「あ、そうなん?じゃあ、そうする!ありがとう。」

注文を取り終えて、暗幕で仕切られた調理場の方へ行くと、横山さんがいた。

「坂井くん!あれがお姉さん?」

あーそういえば、横山さんには姉がいること話したことあったな~。

「うん。まあ。」

「へえ~なんか、可愛い感じの人やね!

坂井くんのお姉さんやから、きれい系やと思ってた。」

え?可愛い?

「ちょっと横山さん、目大丈夫か?あれが可愛い?」

「え、普通に可愛いと思うけど。細いし。」

細いのはそうやけど、可愛いか~?

一般的に見て、葵が可愛いかと聞かれたら微妙やろ。普通?みたいな。

「一緒に来てる人って真田先輩よね?お姉さん、すごいね!

あの真田先輩と付き合ってるんや~!」

「いや、付き合ってはないから!」

勢いよく否定してしまった。

「あ、そうなん?二人で来てるし、仲良さそうやからてっきり。」

「ちゃうから。仲はいいみたいやけど。

それより、なんで横山さん、真田先輩のこと知ってんの?」