なんで俺じゃあかんねん

「あ~!!もう、最悪。

暑いし~!」

葵はホームのベンチに腰掛け、シーブローズを首元につけながら言う。

「次の電車何分?」

「8時2分。」

答えて葵の横に腰をおろす。

「う~わ~~~」

「もう、遅刻決定やな。

あ、シーブロ貸して。」

「自分のは?」

「出すんめんどい。」

「いいけど、私の石鹸やで?ハルの好きなスースーするやつちゃうで?」

「なんでもいい。」

葵は「ん。」とシーブロを俺に差し出す。

俺はそれを自分にふりかけて「さんきゅ。」と返した。


「これ、においきつくないか?」

「石鹸やもん。」

「まあ、ええけど。ピーチとかよりかはましやわ。ローズの香りとかな。」

「確かに男子から自分より甘い香りが漂ってきたら、なんとも言えん気分になるわ。」

「やろ?」


石鹸って、いかにも女子って感じの甘いにおいやしな。