こんな組の父のもとから逃げたかった。 どんどん汚れていくわたしなんて、見ていたくなかった。 人を殺したり、警察から逃げたりする技術だけがどんどん伸びていく自分が、怖かった。 わたしが中学生三年の、そんなころ。 ─────『いまならまだ...間に合うんじゃない?』 父が外出中のある日、わたしにそうつぶやいたのは母だった。