「俺が組長かもわからないようなやつに命令されたことは、すごく気に食わないが。 あいにく俺は忙しいんでね。命拾いしたな、女。」 そう言い残し男───モモのお父さんとモモを乗せた車は、走り去っていった。 組長...、そんな人に刃向うことはどういうことなのか、わたしにだってわかる。 だから翔にあの男が組長だと聞いて、わたしはその瞬間、なにもできなくなった。