父の正面に座っているわたしに向かって、ゆっくりと母が近づいてくる。 さっきわたしの攻撃を止めたナイフがその手には握られていた。 「モモ...右手と左手、どっちがいい?」 わたしの前に辿り着き、正面に立った母がつぶやく。 「...左手のほうが、いい。」 利き手よりは...いいだろう。