曲が終わると、拍手が響いた。


結構知られているのだろうか。


気がつけば、人でいっぱいだった。



キャーキャー言っている女子もいる。



ちょっと、複雑になった。




彼のバンドが荷物をまとめ始めると、

去っていったり、

彼に声をかけたり握手を求めたり。



わたしもどさくさに紛れて、握手をしようと思った。




そして彼の前へ行き…──



「握手…してもらっていいですか?」