透き通った声。


なのに勢いのある、押し倒されるような力強い声。




わたしは一瞬で

その声に恋をした。



誰だろう。


ああ、この声が好きだ。




わたしはそっと、人垣を掻き分けて前に出た。




そこには…───


両手でマイクを握り、楽しそうに叫ぶ、男子の姿があった。


後ろにはドラムやギターがいる。




あれ…………?



まさか…同年代?