ライラックをあなたに…



「寿々さんには『ガーデニング・オタク』に見えるかな?」

「えっ、あっ……べ、別にそういう意味で言ったんじゃ…」


失礼な事を口走ったと、少し後悔した。

時すでに遅し……なのだが。


そっと彼の顔を覗き込むと、


「フッ、そんな顏しなくていいよ、寿々さん」

「えっ?」

「別に俺、へこんで無いし」

「……」


言葉には出さないが、私は少し安堵した。

だって、こんなにも親切にして貰っているのに、彼を傷つけるような事を言ったかと思うと、胸が痛む。

けれど、彼の気遣いでほんの少し心が軽くなった。



4鉢の入れ替えが終わり、彼がプランターと苗ポットを持って来た。


「寿々さん、次はこれね?」

「それは?」

「スティックセニョール(茎ブロッコリー)と水菜、それとヒユナだよ」

「ヒユナ?」

「ん、ホウレン草の2倍の鉄分がある葉物野菜」

「へぇ~植物博士みたい」

「博士?」

「ん、ハーブも野菜も……花も詳しいでしょ?」


私は苗ポットを手にしながら訊ねると、