ライラックをあなたに…



私は苦虫を噛み潰したような顔で、小さなため息を吐く。

ベランダの入口に置かれた男物のガーデンシューズを履き、彼のもとへ。



「で、私は何をすればいいの?」


私は開き直って、作業する事にした。


「あっ、じゃあここにある鉢植えを移し替えるから、古い土を軽く落として貰える?」

「私、やった事ないけど平気?」

「ん、簡単だから大丈夫だよ」

「……そう」


私は彼の作業を見ながら、見よう見まねで古土を払う。

彼は手際よく、新しい鉢へと移し替えて…。


そんな彼を見ながら、


「ねぇ、質問していい?」

「ん?」

「これって趣味なの?」

「え?」

「男の人の趣味にしては、完璧過ぎるわ」

「フフッ、そうだね」


改めて、辺りを見回す……彼。


「あっ、別に、嫌味とかじゃなくて、本当に凄いと思って…」


私は訂正するように呟いた。


すると、