ライラックをあなたに…



ニカッと太陽のような笑顔を見せた彼。

爽やかな中にあどけなさが入り混じっている……少年のような笑顔。


凄く可愛らしくて、彼に似合っている。

私は思わず、キュンとしてしまった。


穢れを知らない純粋な彼の心が映し出されているようで。

そんな彼の仕草1つ1つに癒される私がいる。



「もう1回、笑って?」

「えっ?」

「凄く可愛かったから……ね?」

「ッ!!」



強請るように首を傾げた彼は、甘え上手なようだ。

『ダメ?』と言わんばかりに私の顏を覗き込む。


思いがけない彼の行動に思わずドキッとしてしまい、気まずさから壁の方へ視線を逸らした。


私、完全に遊ばれている。

しかも、3つも年下の男の子に。


すると、


「もう少し、横になってて。何か作って来るから」



優しい声音で囁きながら、私の頭をポンポンと撫で、彼はキッチンへと消えて行った。