ライラックをあなたに…



「今日は寿々に大事な話があるんだ」

「……うん」


震え気味の彼の声に、私まで緊張し出す。

彼が言おうとしている事が分かっていても、やはり彼の口から聞くのは別格みたい。

胸が高鳴って、思い焦がれる感情が溢れ出す。



侑弥さんは一段と手を強く握りしめ、私の視線は彼の瞳に吸い込まれるように。


―――次の瞬間!!


彼はスッと立ち上がり、私の目の前に跪いた。


「……ゆ、侑弥さん?」


彼の突然の行動に驚く私。

海外ドラマでよく観るような、そんな格好をする彼。

まるで、今からヒロインがプロポーズされるみたいに。


プロポーズの言葉は半年前に貰っているが、こういう事は何度でも嬉しい。

私は瞬きも忘れ、目の前の彼を見据えていた。


「寿々」

「はい」

「今から、俺が話す事を良く聞いてくれ」

「うん」


膝の上で、両手を包み込むみたいに握りしめられ、彼は真剣な眼差しで私を見つめた。


そして………、