甘い余韻を残しゆっくりと腕が解かれると、自然と絡むお互いの視線。
これだ。
この瞳だ。
優しく穏やかで温かい、この瞳。
この瞳に私を捕らえて欲しくて、何度も脳裏に思い浮かべていた。
無言のまま見つめ合う視線は、誰が見ても恋人同士のように見えるだろう。
それほどまでに熱く見つめ合っている。
すると、そんな彼がパッと視線を逸らし、頬を綻ばせながら。
「やっばッ、………寿々さん、マジで勘弁してよ」
「へ?」
「可愛すぎるんだけど」
「ッ!!」
顏を背けて照れる一颯くん。
だけど、それ以上に私の方が照れている。
好きな人に『可愛い』なんて言われたら、誰だって嬉しいに決まってる。
しかも、3つも年下の彼に。
お互いに視線を外しても、尚甘い空気が漂う中。
「そう言えば、小池教授は?」
「えっ?聞く事、そっち?!」
「へ?」
私の質問に彼が質問で返して来た。
私、聞く事……間違えたの?
小首を傾げ、彼の顔を見上げると、



