ライラックをあなたに…



ゆっくりと顔を持ち上げた先生と視線が絡まった。

その表情はとても柔らかく穏やかなものだ。


「とても美味しいハーブティーですね。貴女の人柄がよく表れていて、とっても優しい味がします。特にこの淡い色合いが素敵ですね」

「ッ?!」


先生の言葉に、張り詰めていた緊張の糸が切れてしまった。

みるみるうちに視界が歪み、気付けば涙が溢れていた。


「すっ、すみません……」


思わず両手で顔を覆うと、部屋の隅に立っていた2人の先生が歩み寄り……。


「国末さん、合格です。おめでとう」


その言葉と共に拍手を頂いた。


「あっ………あ、ありがとう……ございますっ」


溢れる涙に、テーブルの上の紙ナプキンを差し出す先生。

震える肩を優しく擦る先生。

そして、温かく拍手を送って下さる先生。


その優しさに応えるように何度も何度も頭を下げた。






受講生12名。

何度もトライした人もいるけど、何とか全員揃って、無事合格した。