そして、あっという間に受講最終日。
今日は最大の難関でもある最終実技試験がある。
私はいつもより少し早めに起きて、心を落ち着かせた。
大丈夫。
1つ1つ心を込めて丁寧にこなせば……。
自分に言い聞かせるように何度も唱えた。
「次、国末さん。中へどうぞ」
「はい!」
試験内容は、3人の試験官がお客様として入店するという設定で、個々の注文に制限時間内に提供するというもの。
生徒は廊下に出され、1人ずつ名前を呼ばれ入室する。
調理は手間が掛かる菓子・ケーキ類は事前に用意されており、盛り付けをする程度。
だが、ドリンク類は一から全てこなさないとならない。
マシンの動作確認、カップの保温、焙煎、抽出、提供に至るまで。
しかもかなり厳しい制限時間が設けられていて、一発合格出来る割合はかなり低い。
ラテアートの注文であれば、どんな柄がいいのか選んでもらう事も試験内容になっている。
寝る間も惜しんで練習したんだ。
一発合格出来なくても、必ず今日中に合格してみせる!!
私は深呼吸して試験会場に足を踏み入れた。



