今日の授業も残り30分を切ろうとしている所で、先生の指示の下、部屋の片付けを始めた。
教室は幾つかあり、ドリンク、調理、座学、接客など授業別に分かれている。
今日は午前中に調理の授業があり、沢山の種類のサンドイッチを作った。
そして、午後の授業の前半にドリンクの復習をして、後半は午前に作ったサンドイッチと午後の前半に復習したドリンクを用いて、接客の授業が行われた。
先生が見守る中、生徒が2グループに分かれ接客をするというもの。
それもただの接客では無い。
お客様に豆や茶葉の知識を答えると言う、バリスタ仕様の接客の仕方だ。
私はこの日の為に、数日前から一颯くんの愛用書を読み漁り、色んな知識を詰め込んでいた。
プロのバリスタでもある講師の先生は言う。
『ただ単に豆や茶葉の産地や特性を説明するだけではバリスタとは言えない』
『素材がどのようにして成長し、どんな人々の手によって作られたのか』
『豆や茶葉の個性を最大限にアピール出来る唯一の職業』だと。
私は感慨深くその言葉を胸に刻んだ。



