『寿々、結婚を前提に俺と付き合わないか?』
それは、プロポーズとも言える一言で、彼のその一言で私の人生が大きく変わった。
「はい、私で良ければ…」
そして、私と彼は正式に付き合う事に。
社内でも人気者の彼の恋人でいる事には、かなりの制限が必要だった。
女子社員の嫉妬や反感を買わないように、関係をひた隠し。
社内では一社員として振る舞わなければならなかった。
外出する際も気を抜く事は許されず、お互いのマンションを行き来するか、遠出をするか。
そんな生活に疲れて、少しでも長く彼と一緒に過ごせるようにと、彼のマンションでの同棲生活をスタートさせた。
お互いの仕事が忙しくても、家に帰れば恋しい人に会える。
変わり映え無い日常だったが、何物にも代えられない至福の日々だった。
仕事では親切だが少しクールな大人の彼と、自宅では屈託のない笑顔を振りまく少年的な彼。
私はどちらの彼も大好きだった。
順調に愛を育み、5年目を迎えようとしていた頃。
私の27歳の誕生日に彼から最高のプレゼントを贈られた。



