ライラックをあなたに…



「別に不倫をしてる訳じゃないし、後ろ指さされる事はしてないつもりだけど?」

「…………そうかもしれないけど、でも……」

「寿々さんは、何も心配しなくていいんだよ」



再び、ポンと頭の上に重みを感じた。

その行動はほんのり優しくて、心地のいい重み。

ついつい安堵の溜息が漏れ出すほど………。


「誰かに何か言われそうになったら、遠慮なく言ってね?」


申し訳ないと思いつつも、やっぱり甘えてしまう自分がいる。


彼が言うには来年度の職員構成を口外してはならない事になっているらしい。

そんな大事なことを私が聞いてしまって大丈夫なのだろうか?


私が誰かに言う事だって考えられるのに……。

それ程、私の事を信用してくれていると捉えていいのかな?



不安な目で見つめていると、


「まだ、両親にも話して無いんだ」

「えっ?!」

「寿々さんは特別」



それって、どういう意味?

彼の言う、特別の意味がいまいち分からないよ。