彼の話によると、普段は製薬会社(園芸肥料等を扱う製薬会社)の研究職員として在籍し、新薬の研究等をしながら、学会に出たり、大学院での研究をするというもの。
彼がこの道を選んだきっかけにもなったその教授の目に留まり、彼は講師の座を経て、准教授。
そして、ゆくゆくは……―――…………。
話があまりにも現実味を帯びてなくて、正直、どう反応していいのか分からない。
ポカンと口を開けたまま、彼を見入ってしまった。
そういえば、机や戸棚には論文が山のようにあったし、前に掃除をしようとして手にしたファイルには、功績を称えた賞状がファイリングされてあった。
あまりにも無造作に置かれていたから分からなかったけど、今思えば物凄く貴重なものなのかもしれない。
いや、そうに違いない!!
改めて見入ってしまう。
将来の教授が私の隣りに?!
かなりショッキングな話題についていけない私は、思わず足を止めて。
「私と住んでて大丈夫?」
「は?」
「スキャンダルとかで、職を失ったりしない?」
「何の話?」
「だから、将来の事を考えたら、私と生活してちゃダメでしょ」
「フッ、何だ、そんな事?」
「そんな事って、大事な事だよ!」
私は真剣な顔して彼を見据えた。
すると、



