ライラックをあなたに…



付き合ってって、どういう意味?

あたふたと視線が泳ぎ始めると、


「フフッ。ホント、寿々さんって解り易いね」

「へ?」


悪戯っぽく微笑む彼を見て、再びからかわれたんだと悟った。

もう、本当になんて小悪魔なの?!


年下の男の子とこんな風に会話した事がないから、変にドキドキしちゃうじゃない。


私はキッと彼を軽く睨んで、胡坐を掻いている彼の膝を少し強めに叩いた。


「オバサンをからかうのは止めて」

「あっ!!………寿々さん、約束破ったね」

「え?」

「年齢を理由にした」

「へ?……でもこれは、別に年齢を理由になんて……」

「してるじゃん。オバサンだと自分の事を思うって事は、俺の事を年下だと決めつけたよね?」

「………でも、それは……」

「ほら、また逃げてる」

「…………」


彼の口調に反論出来なくなった。

確かに、年齢を理由に彼を年下だと決めつけたけど……。

でも、それって、仕方ないように思うんだけど……?


「なんか、難しいね」

「そう?」

「うん」

「俺が年上に見えないから?」

「………別にそういう訳じゃ……」


彼の言う通りなのかもしれない。

口では何とでも言える。

だけど……―――……。