ライラックをあなたに…



「痛ッ!」


突然、鋭い痛みが額を襲った。

思わず目を開けて、その場所へ手をかざすと。


「俺を野獣扱いしないでくれる?」

「へ?」


一颯くんは悪戯っぽく微笑み、親指と中指で輪を作り、デコピンのポーズを取った。


「えっと、えっと………もしかして……?」


鋭い痛みの正体は彼からのデコピンだった。


「久しぶりにしたけど、意外とメガヒットするもんだな」

「え?」

「これこれ」


そう口にした彼は再びデコピンポーズを取り、私のおでこへ腕を伸ばす。

そんな彼の仕草に咄嗟におでこを両手で隠すと、


「そうそう!そういう構えの方が寿々さんらしいよ」

「………へ?」



優しい笑みを浮かべた彼は、そっと私の手を剥がし、ジンジンと熱を帯びる箇所へ指先を滑らせた。



「ごめん、ちょっとやり過ぎたね。赤くなってる」

「………」


彼の行動がイマイチ解らない。

『男』の顔を見せたかと思えば、こうして優しい男性の顔をする。


もしかして、遊ばれてるの?……私。



そんな彼をじっと見つめてると、