悔しさと羞恥と情けなさと……。
ありとあらゆる感情が津波のように押し寄せてくる。
侑弥さんと交際した5年を消す事は出来ないけど、私は私なりに頑張って生きて来た。
『どうして?』と、あの人を問い詰める事をいつまでもしていたら、きっと私が私でなくなる。
お金は無いより有った方がいいのは解ってるし、手持ちが0円な訳じゃない。
そんなに多くは無いけど退職金だって貰えるし、財形貯蓄だってしている。
退職したら解約しようと思ってたけど、再就職するのならもう少し様子を見た方がいいのかもしれない。
再就職した先の会社で財形貯蓄制度があるなら、今の残高を移行出来るしね。
あれこれ考えた結果がこれ。
一颯くんには本当に申し訳ないけど、27歳の女が生きてゆくにはこれしかない。
断られる事を覚悟で懇願してみた。
ダメもと。
彼に断られたら、残りの貯蓄類を全て清算して住み込みのアルバイトでも探そうかと思っている。
彼はハーブティーを一口飲み、何やら部屋を見回している。
そんな彼の言葉をじっと待っていると、



