ライラックをあなたに…



「あなたと寿々さんはもう、赤の他人ですよ?」

「ッ?!…………」


俺の言葉に一瞬硬直し、それでも悪足掻きをしようと思考を巡らせている様子。


だから俺はもっと分かりやすく、現実を理解させようと口を開いた。



「あなたと寿々さんは昨日別れましたよね?ボロ雑巾のように捨てられて……」

「あっ、いや、それは……」

「あなたの身勝手な行動で、彼女は『死』を選択せざるを得ない程傷ついた」

「ッ!!……」

「捨てた雑巾をゴミ箱から拾い上げ、身の回りの汚れを拭ったら再び捨てるつもりですか?」

「んッ………」



淡々と言葉を紡ぐ俺に対して、嫌悪感を露わにした。

そして、


「俺は寿々を捨ててない」

「はっ?!」

「寿々を捨てたんじゃなくて、手放したんだ!」



ったく、言い訳をするのも大概にしろよ!!

一方的に別れを強いたくせに今さら『捨ててない』だと?

笑わせるんじゃねぇよッ!!


そんな事、中学生でも解るっての!!



「綺麗ごと言ってんじゃねぇよッ!!」