ライラックをあなたに…



「さて、聞かせて貰おうか?」

「…………」



緊迫した空気を破るかのように、威圧感のある声音で口を開いた侑弥という男。

俺が年下だという事もあり、どこか見下している感じがした。



「何が聞きたいんです?」

「………寿々に何した……?」



恐らく、昨夜から今までの経緯を聞いているのだろう。


だが、俺もバカじゃない。

問われてハイハイと答える程、お人好しでは無いんでね。



「何をしたかは電話で話したと思いますが?」

「……それだけな訳ないだろ」

「そう思うのは勝手ですが、何か勘違いされてませんか?」

「ッ?!………何が言いたいんだ?」



片眉がピクリと動くのを見て、俺は思った。

――――――この男、全然解ってない。


自分でしでかした事がどれ程残酷で倫理に反する事だという事が。


だから、俺は教えてやったんだ。

今、彼女とアンタとの関係を………。