◇◇



「あっつ……」



ジリジリ、ジリジリと太陽が容赦なく私を照りつける。

太陽だけじゃなくて、その光を吸収したアスファルトまで足元から熱を放ってくるんだから、暑くて暑くてたまらない。


もうすぐ夏休みだもんね。

暑くて当然っちゃ当然なんだけど……人一倍暑さに弱い私にこの太陽はなかなか過酷。


ああ、これからもっと暑くなるなんて。

考えるだけで目眩がしそう。



こんな暑い日は、一日中ずっと屋内に引きこもっていたいところ。

だけど、今日はそんなの言ってられない。


……智の、お見舞いに行くんだ。



昨日はいろいろありすぎて滅入っていたたけれど、一晩ゆっくり考えた。


もちろん、自分の気持ちをすべて綺麗に整理できたわけじゃない。

むしろ整理できていないことのほうが多いと思う。



上手く言葉はかけられないと思う。
上手く慰めたりできないと思う。

きっと、役立たずの私。



だけど、たったひとつだけ、そんな私にもできること。


智の、そばにいよう。

私が智にそばにいてほしかったように、私も智のそばに。