ピシリと、クラスの雰囲気が固まったのがわかった。
みんな、ヒヤヒヤしながらわたしたちを見ていたんだろう。
いや、それよりも。
この目の前の男は、一体なにを言ってるんだろう。
「ちょっと軽いノリで言ってみただけだろ? そのくらいわかれよなー。
おまえ、自意識過剰なんじゃねえの?」
「…………」
「ていうか、あのくらいでブチギレる女なんてこっちからお断りだっての」
「……っ」
「今日だって被害者ぶってさあ、そういうの見ててまじうざいから」
容赦無く投げつけられる言葉たちに、私は声も出せなかった。
なにこれ。私が悪いの?
なるべく普通にしようって、昨日のことはもう忘れようって。
本当は文句もいっぱいあったけど、それも全部おさえて。
みんなと上手くやっていくために、わたしも我慢しなきゃって。
そう、思っていたのに。
どうして、こんなふうに責められなきゃいけないの?
どうして、また、こんな惨め思いをしなくちゃいけないの?



