◇◇



佐伯くんと一緒に帰ったあの日から、一週間。




「藤江、オレと付き合わねえ?」


……なんて、雰囲気のカケラもない告白を受けたのは、放課後のことだった。



終礼を終えて、早く教室から出ようとするクラスメートたちの動きがピタリと静止する。



「……は?」



もちろん、私もその一人だ。



相手は、クラスのお調子者の山田というやつだった。


告白されたのが初めてだっていうのもあったけれど、あまり関わりもなかった男子に告白されるという事に対して驚いた。


……しかも、こんな場所で。



「おーい、聞いてる?」



なんて言って、ヘラヘラと笑う山田。


……聞いてるけども。
いやいや、可笑しいでしょ。


ノリが軽いっていうか……
告白って、こんなものなの?


私は告白なんてされたことないから、よく分からないけれど。


なんていうか……コイツの告白は、気持ちがこもってないんだ。



「…………」


むかむかモヤモヤする気持ちを抑え込んで、私はじっと黙り込む。