私がそう聞くと、4人はキョトンとすして。
「そんなの、言わなくても分かるでしょ!」
とみんなに言われたけれど、私には全くわからない。
聞かなくても1位だって、わかっちゃうようなすごい人……。
そんな人……いたっけ?
私はうーんと考えるけれど、やっぱり心当たりはない。
「えー、本当にわからないの?」
友梨が、ありえないとでも言いたそうな顔で言う。
友梨だけじゃない。
他の3人もそんな顔だ。
「そんなこと言われたって……わからないものはわからないし」
私がそう言うと友梨は、はぁ〜とため息をついた。
「いくら男子と接点がないからって……それはないでしょ」
だって本当に男子のことは、全然知らない。
顔と名前が一致する男子なんて、この学年に何人いるか。
そんな私を見て、友梨は呆れたように言う。
「佐伯 智くんだよ。 知らない?」
さえき、とも……?
いたっけ? そんな人。
一生懸命、脳をフル回転させるけれど全くわからない。
「ごめん、全然わかんない」



